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老人ホームの費用

 老人ホームに入所した場合、金額は老人ホームにより、異なってきますが、次のような費用が必要となります。

 まず、大きく分けて、入居時に必要になる金額(入居金、或いは入居一時金と呼ばれます)と月々必要になる金額です。このほかに、介護保険自己負担金、上乗せ介護料、個別契約サービス料などが必要となります。

 

●入居金(入居一時金)

 有料老人ホームで、最初にかかる費用です。

 これは、その名のごとく、入居する際に必要な費用のことです。ホームの開設費用は、入居者の方からいただくこの費用で成り立っています。そういった長期の家賃相当分の前払い金として支払うことにより、ホームの専用居室や共用設備を終身にわたって利用する権利を取得することになります。入居後、一定期間で償却され、償却前に退去、死亡した場合には、一定額が返還されることとなります。

 また、入居金(入居一時金)と似た名称のものに、「入居申込金(契約時に事務手数料として前払いするもの)・施設協力金・終身利用権・入居保証金(居室のクリーニングやメンテナンスなど退居時の現状復帰にかかる費用など)・前払い分施設利用料」などがあります。これらは、償却の対象とならず、返還されないものもありますので注意が必要です。償却は、入居時に23割償却され、その後315年以内で全額償却される場合が多いようです。

入居一時金は基本的に、月々の「居住費・上乗せ介護料」に充当されるので、入居一時金を支払っていれば月々の負担額が少なくなりますが、支払っていない場合は月々の負担額が増えます。よって、まとまった金額を用意できる方は、この入居一時金を支払う形式のホームを選択すればお得となる場合もあります。一概に入居金が高いからといってサービスなどが優れているわけではありません。

 さらに、「平成18年(2006年)4月以降」に開設された有料老人ホームには、入居一時金などの前払い金がある場合は、「500万円or返済債務残高」のうち低いほうの全額を、返還債務を負うこととなる場合に備えて必要な、保全措置が義務付けられています。

これは、平成184月以前に開設された有料老人ホームにはこの規定は適用外となっているので、注意が必要です。

 

 償却に関しては、大切なチェックポイントとなります。

入居一時金は家賃の前払いに相当するものですが、これを支払って得ることができるのは、「本人がホームの居室および共用スペースを利用する権利」と「ホームが提供するサービスを受けることができる権利」です。

この「利用権」という考え方は、分譲住宅や賃貸住宅にはない有料老人ホーム特有のもので、相続や売買を行うことはできません。なんらかの事情でホームを退去する場合や、入居した方が亡くなった場合は、利用権は消滅し、事前に定められたルールに則って償却された入居一時金が返還されることになります。

入居一時金が高額なホームも多いため、返還金の多い少ないを決める「償却」には十分なチェックが必要です。償却についてのチェックポイントは以下の3つです。

①入居一時金の償却期間

 介護付施設では28年、健康型または住宅型施設では7~20年くらいです。介護付のほうが償却期間が短いのは、入居時の年齢や健康状態、入居した後の想定居住期間を考えて償却期間を決めているからです。健康型や住宅型は比較的若く、健康な人が入居し、心身に気をつけながら生活するため、居住期間が長くなるケースが多く、介護付はその逆というわけです。償却期間が終わってしまうと返還金は0円になってしまうので、償却期間が長いほうが入居者にとってはトクだと言えます。

②入居一時金の初期償却はどれくらいか

初期償却では、入居した時点でホームの利益として入居一時金から引かれてしまう金額のことです。一時金の20%ぐらいのところが多いですが、ホームによって0%~80%とバラツキがあります。

仮に入居一時金が1,000万円、初期償却が50%のホームに入居して、何らかのトラブルで1日で退去することになった場合、返還金は500万円となります。1日で500万円が消えてしまうわけです。

この初期償却は、当然ながら少なければ少ないほど入居者にとってはトクになります。

 

●月額費用

 どこまで、月額費用に含まれるかは、各ホームにより違います。一般的には、「居住費+食費+水道光熱費+管理費(共用施設・設備の維持管理、介護以外の事務などに携わる職員の人件費等、有料老人ホーム維持運営のための費用)」などの総額が月額費用となります。しかし、ホームによっては、食費は別に徴収したり、水道光熱費は別に徴収する場合もあります。

必ずこれらの総額が、月にいくらかかるのか?また水道光熱費は実費なのか?一定額が決まっているのか?なども確認が必要です。

 もちろん、「入居金(入居一時金)」を支払っている場合には、その分月々の負担額は少なくなり、そうでない場合は月々の負担額が増えますので、どちらが最終的にはお得になるのかをよく計算することが大切になります。

またこれらの費用とは別に、「居室での電話料金や新聞購入代、オムツ代などの介護用品、生活必需品、日用品代、通院・薬などの医療費、趣味にかかる費用」なども発生しますので、これらも考える必要があります。

 

●介護保険自己負担金

有料老人ホームに入居し、介護保険を利用した場合は、「1割」が自己負担額となります。

ただ、「介護付 有料老人ホーム」に入居した場合と、「住宅型 有料老人ホーム」に入居して介護保険を利用した場合ではサービス料が異なりますし、要介護度によっても異なってきます。

また基本的にこの介護保険自己負担金は、別途徴収されますが、ホームによっては要介護度にかかわらず、毎月一定額を徴収している場合もあります。

 

●上乗せ介護料

上乗せ介護料とは、介護付有料老人ホームなどの、「特定施設入居者生活保護」を受けているホームが、施設内の介護スタッフの人員を増やしている場合に、その分の人件費を上乗せして徴収する費用のことです。

特定施設入居者生活保護を受けているホームの場合、「要介護者3人に1人の介護スタッフ」の配置が義務付けられていますが、この人数では満足した介護サービスが行えないのが現状ですので、「2,5人に1人」、または「2人に1人」など、介護スタッフの数を増やし、その分の費用を上乗せして徴収しているのです。

この金額も、各有料老人ホームによって異なります。

 

●個別契約サービス料

個別契約サービス料とは、その有料老人ホームでの基本的なサービス以外に、個人的に別途、契約しているサービス料のことで、趣味に付き合ってもらったり、買い物に付き添ってもらう場合にこれらの契約を交わし、徴収されます。

有料老人ホームに入居している場合でも、基本的なサービスだけではやりたいことなどができないのが現状ですので、そのような場合に、個人個人が求めるサービスを別途に契約しているのです。