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老人ホームの選び方

 老人ホームと言っても、様々な種類があります。終の棲家と考えている方も多いことでしょう。条件に合う老人ホームを探すのに1年以上かかることも珍しくありません。入居してから後悔しないためにも、時間をかけてじっくり調査して下さい。そこで、その際のポイントなどをまとめてみたいと思います。

 

 まず、大きく分けると、民間企業が運営する施設と、国や地方公共団体の補助金を受けて社会福祉法人や医療機関が経営する公的な施設の2種類になります。

 まずは、公的施設と民間施設という面から、選び方のポイントや注意点を見てみます。

 民間が経営する施設と公的な施設には、大きな違いがあります。費用、手続きとも、まるで別物だと考える方が良いでしょう。

 まず、公的な施設のメリットは、何といっても費用が低額で済むことです。民間の施設と違い、入所の際一時金が不要なのはもちろんのこと、月々の支払いも低く抑えることができます。また、収入が少ない場合、さらに低い費用で利用することも可能です。

 一方デメリットは、健康な人は最初から対象外です。また、介護保険制度を利用するためには、市町村の窓口で要介護の認定を受ける必要があります。近年の益々の高齢化で、入所を希望してから、数ヶ月から数年待たされることも珍しくありません。

 これに対して、私的な施設のメリットは、健康な人でも入所できます。よって、いざという時の大きな安心につながります。

 一方デメリットは、入所する際に大きな費用が必要になります。また、月々の費用もそれなりにかかりますので、公的年金だけで暮らす世帯が利用するのは、かなり厳しいと言えます。さらに、あくまで民間企業が運営するので、倒産しないとも限りません。

 以上のような、メリットとデメリットを踏まえ、経済的に余裕があり、安心をお金で買いたいならば私的施設、経済的余裕がなければ、公的施設を利用すると良いでしょう。

 

 次に別の面から、選び方についての様々なチェックポイントについて、見ていきます。まずは、優先順位やはずせない条件をピックアップして、そこから絞って行くと良いと思います。そして、あくまで急がず、じっくりと時間をかけて調査することです。

●希望条件をまとめる

・希望条件をはっきりさせておきます。

・ご家族と相談することも大切です。

地域にあまりこだわりすぎると行き詰まることがよくあります。例えば「ご家族の住まいから1時間以内」など、ゆるやかな条件にすると選択肢も広がります。

●対象者であるかどうか

要介護度によって、利用できる介護施設や老人ホームは異なります。まず、入居が可能かどうかを確認しましょう。

●目的

まず、どのような目的で入居するのかをはっきりさせておきましょう。介護をしてもらうため、また、自立しており集団生活の中で楽しい老後を過ごすためなど、それによりどのタイプの老人ホームにするかが決まってきます。

●費用

どのような費用がいつ発生するのか、毎月いくら必要なのかなど、しっかりと把握しておく必要があります。また、その金額は、本人の年金や預貯金でまかなえるのか、家族が金銭的に援助する必要があるのかを確認、検討しましょう。経済的に無理のない有料老人ホーム・介護施設を選びましょう。

●入所期間

老健や生活支援ハウスなど、入所期間が短く設定されているものがあります。将来的にずっと施設での生活を希望する場合、最初から特別養護老人ホームのような長期入所を受け入れる施設に申し込むか、老健などを一時的な「つなぎ」として使いながら、特別養護老人ホームなどが空くのを待つのかなど、計画を立てる必要があります。

●情報を集め比較検討

・いろいろな資料情報を集め希望条件に沿う施設を絞っていきましょう。

民間の有料老人ホームは、運営している企業の理念や施設自体のコンセプト等により同じような価格帯でも様々なカラーの違いがあります。まずは多少条件の外れた施設も含め多くの資料を見て、傾向をつかみましょう。

●医療体制

有料老人ホームでは病院と提携、協力関係を結んでいる場合が多いですが、ご自身の持病が診療科目とされているかを確認することが必要となるでしょう。特に、胃や鼻から直接栄養を流し込む経管栄養やインシュリン投与、透析、たん吸引等の医療行為が必要な場合は受け入れ可能なホームが限られていることもありますので、事前の確認が必要です。

●施設

施設の設備などは、ホームページ・パンフレットで閲覧するだけではよくわかりません。必ず見学に行き、実際に見ながら以下のポイントをチェックしましょう。

・ちゃんとバリアフリーになっているか、手すりがいたるところに設置されているか

・個室(全個室か一部個室かなど)か相部屋か、部屋の方位

・トイレ・食堂・お風呂などの数や清潔感

・臭いがあるかどうか(無臭に近ければ清掃・換気が行き届いていると言えます)

・室内の広さと設備(シャワー・キッチンなどの有無)

・廊下やエレベーターの広さなど、車椅子での施設内の移動がスムーズに行えるか(2台がすれ違えるかなど)

●施設の立地

家族の住居と近い、また駅や商店街、病院が近いなど、利便性に優れていると家族が訪れやすく、入居者の方も買い物などに便利です。大自然の中にある施設は、ゆっくりと静かなところで過ごしたい方にはおすすめですが、その分、利便性がなくなる場合もあるので、よく検討して決めましょう。

●介護サービス

入居予定の方が現在どのような介護状態かで、入居できる老人ホームのタイプが決まりますが、そこで、具体的にどのような介護サービスを行ってくれるのかを確認しておきましょう。

また、「介護付」となっていても、症状が軽度の状態で入居して、その後重度になったり、胃ろうなどの医療措置が必要になったり、痴呆になった場合でもそこで引き続き介護サービスを受けられるのか、その場合、具体的にどのような介護をしてくれるのか、もしくは退所しなくてはいけないのかも事前に確認しておきましょう。

介護スタッフと入居者の比率も聞いておくと良いと思います。有料老人ホーム場合、最低基準は1:3ですが、1:2であれば手厚い対応をしてくれていると言えます。1:2.5はまぁまぁといったところでしょうか。

夜間のスタッフ体制も聞いておきましょう。24時間介護スタッフが常駐していないところもありますので、夜間や緊急時に介護サービスは行わないその施設内の職員が具体的にどのような対応をしてくれるかもチェックしておきましょう。施設職員と介護スタッフや医師・看護師がどのように連携しているのかもチェックが必要です。

●食事

食事はおいしいか、栄養バランスはどうか、メニューは豊富かといったことから、自分の嫌い・食べられないものを抜かしてほしい、カロリー控えめ・減塩にしてほしいといったの個人的要望に応じてくれるか、糖尿病食など、疾病による食事制限に対応してくれるか、飲み込む・噛む力が弱い方のために、例えば全粥・7分粥・3分粥にしたり、刻んだりペースト状にしてくれるかも、チェックしておくと良いでしょう。

他にも、食堂でなく自室で料理を食べることができるか、料理をすることは可能かなども聞いておくと良いでしょう。

●入浴

浴槽が大浴場なのか、個別浴槽はあるのか。要介護状態の方は、大浴場は入れないが、個別浴槽であれば入浴できるケースも多いので、最低限、個別浴槽を完備しているところにした方が良いと思います。完備してあっても、毎日入れるのか、入るのに介護スタッフの介助が必要な場合は、週に何回入浴できるのかを聞いておきましょう。その場合の入浴回数は週2~4回に決められているところが多く、3回以上あるのが望ましいと言えます。既定以上の回数には別途費用がかかる場合もあるので、それもチェックしておきましょう。

●雰囲気

見学や体験入居で確認しておくポイントです。既に入居している方の様子、可能ならばお話を聞いてみたり、スタッフがどのように働いてるかも見ておいた方が、よいです。

●規則

 起床・就寝、食事の時間、決まりごと、レクリエーションがあるかなどもチェックポイントです。

●居住権

有料老人ホームとの入居契約においては、「(終身)利用権方式」「賃貸方式」「終身建物賃貸方式」など、いくつかの権利形態があります。後々トラブルが起こらないよう、これらに関しても確認しておきましょう。

●経営基盤

民間企業が運営している有料老人ホームなどは、100%倒産しないとは言い切れません。運営している企業の財務体質はどうなっているか(財務諸表を見せてもらいましょう)と、高い入居率をキープしているかどうか(開設2年で80%以上になら安定していると言えます)、最低でもこの2点は確認しておいて下さい。

●雰囲気は自分に合うか?

見学、体験入所して実際にご自分で確認する所です。高級ホテルの様な所もありますが、施設のすばらしさだけに目を奪われてはいけません。

あるイギリスの有料老人ホームでは、食事の際に「ネクタイ着用」が義務付けられている所があります。日本ではこういった規則がある所は珍しいですが、こういった規則や雰囲気が「堅苦しい」と感じるか、「快適だ」と感じるかは人それぞれです。

入居サービスを利用する場合、何らかの形で共同生活を行うことになるので、その施設に親がなじめるかどうかは重要。1年間、1カ月、1日の予定や施設内でのルールを確認し、ライフスタイルや生活に合いそうかどうか検討します。 自分に合った所をじっくり選びましょう。

●生活スタイルが自分に合うか?

 例えばAさんはいままで次のような生活スタイルを送ってきたとしましょう。

「朝は11時頃起きてすぐにお風呂へ入ります。その後朝昼兼用で外のレストランで食事を取り、夕方から居酒屋でお酒を飲んで、夜は遅くに家に帰ります。」

このような方が、次のようなルールがある所に入所したとしたらどうでしょう?

「朝は7時起床、3度の食事は食堂で取る事。お風呂は夕方しか入ってはいけない。」、「門限は夕方6時。」。このような厳しいルールは非常に極端な例ですが、この有料老人ホーム・介護施設に入所したAさんは、いままでしてきた生活スタイルが何一つ実現できず、すぐにイヤになってしまうでしょう。

施設選びにあたっては、「いままでの自分の生活スタイルはどうだったか」を今一度振り返り、ある程度自分の意向がかなう所を探しましょう。

●必ず複数で見学に行く

 パンフレットやホームページだけでは、その施設の雰囲気などは十分にはわからないので、必ず見学に行きましょう。

 そして、施設にいったら、そのハード面や、雰囲気をチェックしましょう。またその際は、ひとりで行かず、お友達や家族などと一緒に行きましょう。自分には気づかなかった事が発見できるかもしれません。分らないことや不明な点は、スタッフに遠慮せず質問をして、納得のいくまで説明してもらいましょう。

●必ず何度か見学に行く

 季節や天気、訪問時間、その日の気分が違えば印象や雰囲気も違って見えます。一度ならずも何度か行って、自分の気になる所をチェックしてきましょう。

●他の有料老人ホーム・介護施設を見る(特に新設施設の場合)

 いくつかの施設を見学することで、それぞれのサービス内容や雰囲気などを比較検討することができます。特に初めての見学で新設施設など、まだ完成していない場合、どんなものか、実際の雰囲気などはわかりにくいので同系列の所も見学してみましょう。

●雰囲気を確認する

 施設の設備やスタッフの言葉だけでなく、スタッフと入居者の関係性や、入居者同士の関係性なども注意深くチェックして、親がそこに溶け込めそうかどうかを自分のなかでシミュレーションする。

●サービスを利用してみる

可能であればショートステイなどを利用して実際に施設でのサービスを試してみるなどして、馴染めそうかどうかを判断しましょう。実際に生活してみると、日々の介護体制や職員の対応なども細かく観察できます。

●居室の彩光

ソフト面ばかりではなく、居室に明るい彩光がさしこむかどうかといったハード面も重要です。とくに、その老人ホーム全体が明るい彩光になっているかどうかは、入居する方の気分が明るくなるかどうかを決める要因の一つにもなります。

人間は、高齢化すると自然と視力が衰えてきますので、より明るい太陽の光を求めます。明るければよく見えますが、暗ければ部屋の隅々までは見えないので、居室が汚れていても気がつかない場合があります。

居室が職員によって清潔にされているかどうかは、職員がどのくらい入居者のために配慮して介護しているかを計るバロメーターになります。居室が清掃され、整頓されているか。ベッドメーキングがきちんとされているかどうか。壁に汚れやシミがないか。また、カーペットは清潔に取り替えられているかどうかなど、見学の際には、十分に注意してみることが必要ですが、明るい部屋であれば、それらが一見してわかるわけです

●終身介護であるかどうかを確認する事

とくに介護の姿は、じっくり見ておかなければなりません。高齢者にとって、その老人ホームが、<終身介護であるかどうか>は、最も大きな決め手です。更に、介護の水準がどれくらい高いのかを判断することが大切です。

自分自身や、大切な自分の親族を任せることになるホームですから、職員への教育が十分になされているかどうかを見極めることも大切です。見学に訪れたら、そこの介護職員の様子や、入居者への対応の様子をよく見ましょう。スタッフたちは人柄があたたかく、礼儀正しいでしょうか。生き生きした表情で挨拶できているでしょうか。そして、それは形式的なものでなく、本当の心が現れているでしょうか。

●介護以外の部署で働いている職員も見る

とくに介護の姿は、じっくり見ておかなければなりません。高齢者にとって、その老人ホームが、<終身介護であるかどうか>は、最も大きな決め手です。更に、介護の水準がどれくらい高いのかを判断することが大切です。

自分自身や、大切な自分の親族を任せることになるホームですから、職員への教育が十分になされているかどうかを見極めることも大切です。見学に訪れたら、そこの介護職員の様子や、入居者への対応の様子をよく見ましょう。スタッフたちは人柄があたたかく、礼儀正しいでしょうか。生き生きした表情で挨拶できているでしょうか。そして、それは形式的なものでなく、本当の心が現れているでしょうか。

●介護の環境をチェック

見学の際には、スタッフによる介護の実際の姿だけでなく、介護の環境もよく観察しましょう。介護施設では、一般的に、介護による臭気が発生しやすい傾向にあります。このような、臭気は、身体や室内環境が清潔に保たれていれば臭わないはずのもの。しかし、とくに介護居室に場合は、居室の清掃が完全に行われていないと、食事の食べこぼしや排便の不始末、室内の空気の密閉などによって臭気が漂ってしまうのです。また、入浴サービスが少なかったりすると、当然、高齢者の体自体に臭気が発生するようになります。

したがって、常時臭気を感じる老人ホームは、介護サービスが完全に行き届いていないことを示しています。とくに冬の季節は、暖をとるために室内を密閉しているときに臭気が発生していないかどうか、臭覚をよく働かせて観察することが大切です。

●その他

・立地条件(都会がいいか、田舎がいいか、面会に行きやすいか、周辺の利便性など)

・経営基盤がしっかりしているか

・食事はおいしいか、治療食は出るか、味栄養のバランスはとれているか

・自室でも料理ができるか

・買い物、病院など近くに便利なお店があるか

・交通の便はよいか

・共用スペース、自室も含めて快適な施設であるか(広さ、設備など)

24時間体制でケアが受けられるか

・自由に出入りが出来るか

・煙草は館内で吸えるか、外に出なければ吸えないか

・医療体制

・職員の対応

・契約する前には、重要事項説明書、入居契約書、介護サービス一覧表、管理規定財務諸表(損益計算書、貸借対照表)などの書類を請求し、参考にする